大規模修繕工事 国土交通省から談合やリベート横行の注意喚起
マンションにとって、大規模修繕工事は、何十年に1回という貴重で重要な修繕工事となります。管理組合が、設計コンサルタントを活用することも珍しくないのですが、管理組合の無知をよいことに、悪質な設計コンサルタントが存在していることにも注意が必要です。
国土交通省(国交省)では、悪質な設計コンサルタントを活用した例とともに相談窓口を開設しています。国土交通省(国交省)が注意喚起を行っています。大規模修繕工事の際には気をつけましょう。
■ 目次 ■
国土交通省からの注意喚起は
平成29年1月27日付けで、国土交通省(国交省)から出された警告は、「設計コンサルタントを活用したマンション大規模修繕工事の発注等の相談窓口の周知について(通知)」というものです。
管理会社は、各管理組合へ国土交通省(国交省)からの通達を周知するようにという趣旨の依頼が書かれているにも関わらず、実際には、管理組合へ通達が周知されていないようです。管理組合としては、積極的に注意喚起の情報収集にあたる必要があるのかと感じています。
国土交通省(国交省)からの通達にも関わらず、なぜ?管理組合への周知が行われていないのでしょうか。
周知が行われていない理由は、管理会社にとって都合が悪いことだからであると思わずにはいられません。
大規模修繕工事は、マンションにとって、何十年に1回という頻度の低い工事となります。植栽管理のように発注も、毎年コンスタントにあるのではではありません。
毎日の清掃業務等の管理を請け負っている管理会社にとっては、大規模修繕工事の発注を受けることは大きな利益を生むチャンスとなります。管理会社にとって、都合の悪いことの広報活動は、わざわざしないのです。
しかも、管理組合のサイフの中身(修繕積立金の金額)を全て知っているのが管理会社ですから、管理会社にとって、大規模修繕工事がおいしくないわけはありません。管理組合が歯止めを掛けないと、修繕積立金の全額を使う大規模修繕工事になる可能性もあります。
「大規模修繕工事の周期は国土交通省の調査では12年ではない」で綴ったように、長期修繕計画(長計)では、12年毎に大規模修繕工事を計画していませんか。
早く大規模修繕工事を行えば、2回目・3回目の大規模修繕工事も早く行うことになり、大規模修繕工事を実施した分、管理会社が潤うことにもなります。
大規模修繕工事の周期をただ延ばすのが適切であると言っているのではありません。大規模修繕工事の実施年数を機械的に定めるのではなく、マンションの状況を正しく把握して、劣化が激しく、そのまま放置すると危険であると判断した場合に大規模修繕工事を実施すべきと考えます。
管理会社にとって、大規模修繕工事は、過去に他マンションで経験済みであり、ノウハウや知識があるプロの集団です。しかし、マンション側にとってはノウハウもない素人集団(アマ)となります。
プロとアマ、どちらが有利であるのかは一目瞭然で、知識面でも交渉面でもプロに勝てる要素は、アマである管理組合にはありません。サッカー好きが集まったサッカーを趣味にしている人が、プロのサッカー選手と互角に戦うことは難しいです。
それだけに大規模修繕工事は、プロである設計コンサルタントに頼らざるを得ない場合が多いことになります。
一部の設計コンサルタントは、管理組合が無知であることを利用して法外なコンサルタント料を要求したり、管理会社と癒着していたりするケースがあると国土交通省(国交省)は、警告を鳴らしています。
設計コンサルタントを活用した大規模修繕工事を行う際には、気をつけて頂きたいと思います。
下記から、国土交通省(国交省)から出された「設計コンサルタントを活用したマンション大規模修繕工事の発注等の相談窓口の周知について(通知)」がダウンロードできますので、関係者通知して頂ければ幸いです。
■大規模修繕工事発注等の相談窓口の周知(PDF)
大規模修繕工事発注等の相談窓口の周知(PDF)
注意喚起の例
大規模修繕工事は、複数の工事会社から見積もりを取り寄せ、大規模修繕工事をどこに発注するのかを決定します。
コンサルタントから出された一番安価な見積もり額は、コンサルタントの職員が調査診断・設計を行ったのではなく、施工会社の職員が行っていました。
施工会社5社のうち、特定の1社だけ見積もり金額が低くなるように、少ない数量で見積もりを依頼していた。
コンサルタント会社にバックマージンが支払われるように、不適切な工作を行った。割高な工事費や過剰な工事内容が含まれ、管理組合に経済的な損失を及ぼしたもの。
わざと工期を長くする、人員を過剰に集めるなどして、人件費などを通常よりも多く請求されるケースもあると聞いたことがあります。管理組合のサイフを全て知っているので、普通よりも多く工事費を請求するらしいです。
相談窓口はココ!
大規模修繕工事の実施は、知らないことが多く、管理会社主導で進められてしまいがちです。しかし、「おかしいな?」と思った場合は、下記の相談窓口を活用するとよいでしょう。
住宅リフォーム・紛争処理支援センター
施工費用については、「見積もりチェックサービス」を無料で行っています。大規模修繕工事の見積もりが妥当なのかどうか疑問に思った時に活用してください。
住まいるダイヤル:0570-016-100
マンション管理センター
建物・設備の維持管理の相談:03-3222-1519
おわりに
国土交通省から、談合やリベート横行の注意喚起が出されていますので、一度お読み頂くことをおすすめします。
マンションに住んでいると、大規模修繕工事という山場が必ず登場します。その時に慌てて対応することのないように、事前から情報を収集しておくことが必要だと思います。
管理会社の方から、国土交通省(国交省)からの注意喚起を管理組合へ伝達すべきだと思いますが、現実は、通達がされていないようです。
管理会社におんぶにだっこ状態にならないように、まずは住民の意識改革をすることから大規模修繕工事が始まるのかもしれませんね。「知らなかった」では済まされませんよ。
理事会や意見書として資料提出することは、管理会社へ対する牽制球となるかもしれません。裏で談合やリベートが行われていないとも限りません。
大規模修繕工事 国土交通省から談合やリベート横行の注意喚起
※アフィリエイト広告を利用しています。